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更新日:
2015年4月20日
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◎松葉軒(しょうようけん)(2019年6月15日)
「松葉軒」は1953年(昭和28年)8月に木村一(きむらはじめ)さんが熊本市妙体寺町にオープンした、熊本市内で最初のラーメン店です。お店は中央区妙体寺町にあり、浄行寺交差点のすぐ近くです。熊本ラーメンの老舗のお店の1つです。
もともと熊本にラーメンをもたらしたのは「白濁豚骨スープ」を生み出した「三九」というラーメン屋台を営業していた杉野勝見さんからノレンを譲りうけた四ケ所日出光さんです。四ケ所さんは1952年(昭和27年)に熊本県玉名市の国鉄、高瀬駅(現在のJR、玉名駅)近くに中華そば屋「三九」をオープンしました。
当時の玉名の町にはうどんや蕎麦しかなく、豚の骨を煮詰めた白濁スープの濃厚なラーメンの味は新鮮で、すぐに評判となり、連日、大勢の客で賑わったそうです。「玉名にうまい食べ物がある」との話を聞いた青年3人組が、1953年(昭和28年)に熊本市から「三九」のラーメンを食べに行きました。その3人とは山中安敏さん、劉孝治(重光孝治)さん、木村一さんです。この3人は不動産業、中古車販売業を営んでいたそうですが、この年(1953年)に北部九州を襲った白川大水害によって被害を受け、再起を期すために新しい商売を探していたそうです。3人は生まれて初めて食べた白く濁ったスープの豚骨ラーメンに感銘を受け、商売の可能性を感じたようです。
3人は試行錯誤してスープを作り上げ、1953年(昭和28年)に木村一さんが開業したのが「松葉軒」です。「豚骨ラーメン」と言うとコッテリと言うイメージかもしれませんが、サッパリした優しい味わいのスープが特徴だそうです。スープは豚の頭骨、ゲンコツを3日間、ゆっくり煮込み続ける事で豚骨独特の臭みが少ないまろやかなスープを作ったそうです。麺は中太の玉子麺です。
現在は「ラーメン屋」という職業について差別等は無いと思いますが、以前の熊本には明確な差別があったそうです。そのため木村一さんは、娘さんが年頃になった時、一時的に店を閉じて勤め人となり、娘さんが結婚した後、ラーメン店を再開したそうです。「松葉軒」の二代目は後藤熊男さんだとのことですので、この娘さんの旦那さんなのでしょうか。
「松葉軒」の3代目は後藤忠生さんですが、2018年4月末でお店を閉めました。高齢になり、立ち仕事に疲れたということが理由のようです。2018年4月下旬から休業し、5月中に閉店を決め、店のシャッターに「閉店のお知らせ」の貼り紙を出し、ひっそりとその歴史に幕を閉じたそうです。
この店の大将は商売気がなく、他の店はチェーン店だとか、通販などを展開しているのに、この店の味を守るために「一子相伝」を守ってきました。その結果、弟子を取っていなかったため、3代目が引退を決めた時点で、この店の味を受け継ぐ人がなく歴史の中に埋もれてしまう結果となりました。
ただし、実際には息子さんの後藤一忠さんが4代目を継ぐ話もあったそうです。しかし、2016年(平成28年)4月に熊本地震があり、今は継ぐ時期ではないと考え、博多で「松葉」というもつ鍋のお店を開いたそうです。
その後、2019年3月には「松葉軒」拉麺の復活プロジェクトとして、3代目と4代目が協力してネット販売を行ったようです。これをきっかけに、今後、4代目、後藤一忠さんが「松葉軒」を復活させる日が来るのかもしれません。
・松葉軒(しょうようけん)
住所:熊本県熊本市中央区妙体寺町5-14
TEL:096-343-7767
営業時間:11:00〜21:00(スープがなくなり次第終了)
定休日:不定休
駐車場:有(1台)
アクセス:熊本電鉄、藤崎宮前から徒歩約8分
カード:不可
席数:20席
オープン日:1953年8月
2018年4月末で閉店
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