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更新日:
2019年11月23日
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◎大松屋(おおまつや)(2009年3月30日)
大松屋(おおまつや)は、「東松山市のやきとり」の発祥のお店として有名です。東松山市の「やきとり」は、「豚のカシラ肉(顔や、ほほの肉)」を炭火で丹念に焼きあげ、ピリ辛の味噌ダレをつけて食べる料理です。大松屋は、東松山駅東口から徒歩10分くらいの場所に「やきとり」の文字が書かれた暖簾を掲げています。1956年(昭和31年)に寄居町で創業した歴史のあるお店です。
大松屋の店主の黒瀬タツ子さん(2006年2月)によると、戦後の厳しい時代、黒瀬タツ子さんの夫は働きたくても仕事があまりなかったそうです。鉄筋運びなどの重労働をして資金を工面し、1956年(昭和31年)に寄居町でホルモン焼きの屋台を開きました。これは、当時、あまり食べられていなかった白モツを安く仕入れて焼いて、甘い醤油ダレで食べるものでした。また、御主人は朝鮮出身だったため、辛い味噌ダレを作って、甘い醤油ダレの上に塗って食べていたそうです。これは、祖国で豚肉に辛いタレをつけて食べていた味を思い出して作っていたそうです。
しかし、小腸を使っていた当時の白モツは、ゴムのような食感で噛み切れず、食べづらかったので、あまり人気にならなかったそうです。そこで、何か他に使える食材はないかと考えていた時、白モツ同様に当時、あまり使われていなかった豚のカシラ肉を知人に勧められたそうです。そこで1958年(昭和33年)に「かしら肉」を使い始めたそうです。
ただ、1958年(昭和33年)頃から寄居町の繁華街も急激に人通りがなくなり、お客が減っていったそうです。そこで当時、東松山市にあるやきとり店に串に刺した肉を提供していたこと、東松山市には大きな工場があって、そこで働く従業員が多いことから、1961年(昭和36年)に東松山市に移転したそうです。この時は屋台も知人に頼んでトラックで運んでもらったそうです。
東松山市に移ると、味噌ダレが評判となったそうです。その結果、近辺のお店の主人から味噌ダレの作り方を教えて欲しい、という依頼が入ったそうです。当時は何人も店にきて一緒に作っては、自分の店に持ち帰っていたそうです。最初は作り方を教え、一緒に同じ物を作っていましたが、持ち帰った後は、その人独自の味に工夫されることがあり、この結果、色々なお店で様々な味噌ダレが発展していったようです。
大松屋の当時のみそだれは現在のものよりずっと緩くできていて、ポタポタとたれ落ちるようなものだったそうです。昭和40年代になると工場の労働者だけでなく、ネクタイをしたサラリーマンも増えるようになり、この味噌ダレをネクタイやスーツにこぼしているのを目にするようになったそうです。そこで「お客さんがみそだれで服を汚しちゃいけない」と試行錯誤を重ね、現在の粘り気のあるみそだれに改良したそうです。
豚のほほ、こめかみの部位であるカシラ肉は、筋肉がしまり、独特の歯ごたえと旨みを感じます。大松屋では仕込みの際、肉をよく包丁で叩いているため、柔らかい独特の食感が特徴となっています。そんな特別な仕込みを施されて炭焼きされたカシラに唐辛子やショウガ、ニンニク等を混ぜた大松屋特製の辛みそにつけていただきます。
大松屋では、料理を注文しなくともカシラが最初に2本出てきて、それを食べ終わることには、また1本、無くなると、また1本とわんこそばの要領で手元に届けられます。店主とのアイコンタクトで様子を見てくれることもあり、安心して自分のペースで、やきとりを楽しめます。
BS-TBSの「吉田類の酒場放浪記」で2007年1月11に放送されたそうです。
・大松屋(おおまつや)
住所:埼玉県東松山市材木町23-14
TEL:0493-22-2407
営業時間:16:15〜20:00
定休日:日曜日
駐車場:有
アクセス:東武東上線、東松山駅、東口から徒歩10分
カード:不可
オープン日:1956年(昭和31年)
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