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更新日:
2011年2月5日
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◎一松園(2010年12月30日)
一松園は静岡市の丸子(まりこ)という場所(静岡県静岡市駿河区丸子)にある「とろろ汁」が有名なお店です。この丸子(元は、「鞠子」)という場所は、東海道五十三次の宿場で、品川宿から数えて20番目の宿場町「丸子宿」として古くから栄えたところです。この地には、自然薯が成育していて、薬や食料として用いられ、地元の人々の栄養源となっていたそうです。
この一松園の隣には、1596年(慶長元年)に創業した「丁子屋」という「とろろ汁」で有名なお店があり、いつも賑わっています。一松園は、その隣にあるのですが、それほど混雑していないのが不思議です。ちなみに一松園は、創業50年くらいのようです。
丁子屋は茅葺き屋根の古民家をそのまま利用した趣のある店構えです。これに対し、一松園も大正時代の面影が残る建物で、室内の座敷も落ち着ける空間になっています。古民家の丁子屋に比べると、少し新しい建物に見えますが、それなりの雰囲気をもっています。
江戸中期の俳諧集「猿蓑(さるみの)」(1691)に「梅若菜まりこの宿のとろろ汁」という松尾芭蕉の句があります。これが当時の旅人に強い印象を与え、鞠子の名物として有名になっていったようです。
駿河(鞠子がある静岡市は「駿河の国」です。)には「カラスは鍛冶屋でかねたたき、とんびはとろろのお師匠さん」というわらべ歌があるそうです。大空をゆったりとゆっくりと輪を描いて飛んでいるとんびのように、ゆったりした気持ちで、ゆっくりとすり潰すと美味しいとろろ汁ができる、という唄だそうです。
駿府(現在の静岡市)、府中に生まれた十返舎一九は、1802年頃に刊行した「東海道中膝栗毛」の鞠子のシーンで、とろろ汁を描いています。先ほどのわらべ歌を念頭においたと思われる「けんかする夫婦は口をとがらして、とんびとろろにすべりこそすれ」という狂歌を弥次さん、喜多さんが残しています。これは、宿場の夫婦が喧嘩しながら作ったとろろ汁を庭にぶちまけてしまい、とろろの師匠であるとんびも滑ってしまったというシーンです。
また、安藤広重(歌川広重)が1834年に完成させた「東海道五十三次絵」では、上述の松尾芭蕉の句や十返舎一九の話を念頭においていたと思われ、とろろ汁屋の軒先には梅の花が咲いていて、弥次さん、喜多さんのような旅人2人組がとろろ汁を味わっている姿が描かれています。
とろろ汁は、ヤマノイモなどをすりおろして、濃い口の味噌汁で薄めた料理です。ヤマノイモは、野生の自然薯(じねんじょ)と呼ばれるものです。しかしながら、現在、とろろ汁に用いられているのは、栽培種のナガイモだそうです。ナガイモは、形状などによって大和薯、豊後薯、いちょう薯など、数種類の品種があるようです。
自然薯を使ったとろろ汁は、丁寧にすった山芋を独特の味噌仕立てのだし汁でのばしてあります。御ひつに入れられ出される麦飯にたっぷりとかけていただくのが美味しい食べ方です。静岡の丸子で美味しいとろろを食べてみたらいかがでしょうか。

こんな感じの建物です。

入口です。

大通り側には、こんな看板があります。

大通り側から入ると、こんな建物です。
・一松園
住所:静岡県静岡市駿河区丸子7-11-5
TEL:054-259-5454
営業時間:11:00〜19:00
定休日:水曜日
駐車場:有
アクセス:静岡駅北口からバス7番線藤枝駅行き、丸子橋入口下車、徒歩1分
安倍川駅から2,633m
席数:160席
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