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更新日:
2020年4月10日
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◎ばらずし(2020年4月10日)
「ばら寿司」は、古くから西日本全域で使用されている料理の名称ですが、岡山のばら寿司は具材が大きく品目数も多く有名で、岡山の郷土料理として知られています。「ばら寿司」は新鮮な海産物と旬の農産物をふんだんに盛り込んだ寿司です。別名「祭りずし」、「岡山ずし」とも呼ばれ、祭り、祝い事、盆や正月など、特別なハレの日の料理として作られています。
「ばらずし」は家庭や飲食店、そして季節によって食材は異なりますが、日本一豪華なちらし寿司ともいわれるほど贅沢な料理です。その贅沢さは、かつて「すし一升、金一両」とも言われるほどで、数多くの食材を使って手間をかけて豪華に作られていました。
現在でも、その豪華さは健在で、海の幸では鰆、穴子、ママカリ、海老、烏賊、鱧、藻貝など、農産物では蓮根、牛蒡、干瓢、椎茸、筍、エンドウ、蕗、人参など食材をふんだんに使います。また、酢飯の上には錦糸玉子を敷き詰めて彩りも鮮やかです。
「ばらずし」の発祥は、江戸時代の備前岡山藩の藩主池田光政の時代にまで遡ります。初代岡山藩主として政治手腕を発揮した光政は倹約令を施行し、領民の暮らしを質素なものにする様に触れを出しました。豪華な祭事や特別な日以外の飲酒も禁止し、日常の食事も質素倹約を旨とする「一汁一菜」を原則としました。「一汁一菜」は祭事や祝事の特別な日でも例外とされないほど厳しいものだったそうです。
そんな中、せめてハレの日には特別な料理を食べたいと考え、生まれたのが「ばら寿司」だそうです。「ばらずし」は酢飯に多くの食材を入れた「一品料理」として「一菜」とし、お吸い物など「一汁」を加えて「一汁一菜」として食べられたそうです。
しかし、この「ばらずし」が、あまりに具沢山で豪華なため、役人に見つからないように作り方を工夫したそうです。具沢山の魚介類や野菜を寿司桶に敷き詰め、その上に干瓢や椎茸が入った寿司飯をのせて見えないようにしたのだそうです。見た目は素朴な寿司ですが、食べる直前にひっくり返せば豪華な「ばらずし」が現れるという仕掛けです。現在は、その豪華さを隠す必要がないため具を酢飯の上に乗せていますが、昔の名残りからかひっくり返す「ばらずし」も作られているそうです。

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