ニガリのお話

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更新日:
 2008年6月28日


◎にがり(2008年6月28日)
 ニガリは漢字で「苦汁」と書く、苦い液です。ニガリは、海水を煮詰めて精製した後に残る液とされています。別名、「粗製海水塩化マグネシウム」です。つまり、海水から塩化ナトリウムおよび、塩化カリウムを析出分離して得られた塩化マグネシウムを主成分とするものなのです。
 ニガリは、豆腐づくりに欠かせない凝固剤の代表的なものです。ニガリが多すぎると、豆腐に渋みが残ってしまうので、ニガリの量や質は、豆腐づくりの重要なポイントとなります。もともとは、食塩を作るときの副産物です。
 ニガリの主成分は塩化マグネシウム(MgCl2)です。海水を濃縮して作るため、硫酸マグネシウム(MgSO4)、臭化マグネシウム(MgBr2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、リン(P)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)など、多くのミネラルを含んでいます。
 亜鉛、銅、セレン、マンガンなどは、現代人に不足しがちな微量ミネラルで、人間の体に必要なミネラルの量は少量ですが、人間の生命を維持し、体の機能をコントロールするために、不可欠で大事な栄養素です。それをバランスよく豊富に含んでいるニガリは、生体に重要な物質であると言えます。
 ニガリそのものは、そのままなめると、名前の通り「苦み」がありますが、食品に少量使用すると、料理の味にコクと旨味を醸し出します。漬け物や味噌、醤油などの発酵食品にはニガリが不可欠で、ニガリの働きで味の良い食品が出来ます。
 例えば、味噌汁に少量のニガリを入れるだけで、コクと旨味のある味噌汁ができます。カレー、シチューなどの煮込み料理に数滴加えると、野菜やお肉など素材の煮くずれを防ぎ、また、アクが取りやすくなり、味にコクがでます。
 ニガリはたんぱく質を凝固させる働きがあるため、昔から豆腐の凝固剤として利用されてきました。豆腐凝固用ニガリ(塩化マグネシウム含有物、粗製海水塩化マグネシウム)は99.9%塩化マグネシウムのみで、その他のミネラルが含有されていません。塩化マグネシウムのみの「ニガリ」の場合は、飲みすぎると下痢をするおそれがあるので注意が必要です。
 海水(表層水)のニガリもミネラル含有量が多い天然のニガリですが、原料の汚染度が問題になります。そこで注目されているのが、海洋深層水天然ニガリです。体に必要なミネラルが含まれている上、汚染がないことが注目されている原因です。
 体液(血液)と同じミネラルバランスを摂取するには、天然ニガリの補給が必要です。ニガリの摂取によって、
・花粉症やアトピーなどのアレルギー改善
・便秘の解消や新陳代謝の促進によるダイエットや美肌効果(しみ、肌荒れ)
・歯槽膿漏、歯周病や水虫の殺菌
・ミネラル補給により体内が正常化され、高血圧、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防や改善
・その他(骨粗しょう症、むくみ、不眠症)
などの効果があることが知られています。
 高血圧や生活習慣病の原因として挙げられているのが、塩分の摂り過ぎです。しかし、天然ニガリはマグネシウム、カルシウム、カリウム成分が豊富なので、余分な塩分を排せつしてくれて、体に良いのだそうです。
 また、ニガリと塩化マグネシウムは違うものであることに注意が必要です。ニガリに含まれる微量成分(ミネラル)によって、臓器や組織、細胞に至るまで正常に働き出し、免疫機能が正常に働き、体全体が活性化するようです。