棒寿司、棒鮨

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更新日:
 2024年9月29日



◎棒寿司(2024年9月29日)
 棒寿司とは、酢でしめた魚と手でよく練った酢飯を布巾でしめて作った寿司です。棒のように長いので「棒寿司」と呼ばれるのだと思います。詳細が不明ですが、1921年(大正10年)に兵庫県の神戸市、元町に西谷正重氏が創業した「寿司岩」で生まれた寿司のようです。その後、関西地区に広がったため関西の伝統的な寿司と言われ、兵庫県が発祥地と言われているようです。
 「寿司岩」は1949年(昭和24年)に東京、築地に移転しましたが、2代目社長の放漫経営で一時期は110店舗、売上50億円にもなったそうですが、負債額、約83億円を抱え、1994年8月22日に和議申請(現在の「民事再生法」)を行いました。そして1998年に旗艦店である本店以下中心店舗6店を17億6,300万円で売却したようです。2002年4月に和議を終了したものの、その後も経営が厳しかったようで2008年12月13日に居酒屋、庄やなどを運営している株式会社大庄にすし店29店舗、外販事業、おせち販売事業などを3億5,000万円で事業を売却しています。(株式会社壽司岩は大庄の連結子会社になっています。)その後、創業者の家族は2010年に「銀座 壮石」というお店をオープンしています。
 棒寿司は「ふきん締め」という仕事が重要だそうです。まずシャリ(酢飯)を手で練りながら中の空気を抜いていくそうです。ご飯粒を一切つぶさずに練りながら中の空気を抜いていくことが重要で、空気がちゃんと抜けていなかったら、腐敗が早まるので、日持ちがしないそうです。
 日持ちをさせようと練りすぎたら餅みたいになるし、練らなかったら日持ちがしないそうです。ご飯粒をつぶさずに中の空気だけを抜くことが、職人の技だそうです。場合によっては、1週間も常温で十分持つような仕事をする職人さんもいるそうです。
 その後、濡らして固く絞ったふきんの上に酢で〆た鯖を置いて、その上に練って棒状にしたシャリを置き、くるっと布巾で巻いて締めるそうです。これが「ふきん締め」です。この時、横から見た形が扇状になっているのが良いそうです。
 鯖棒寿司は黒板昆布で巻くことが重要だそうです。最高級の鯖棒寿司では、最高級の分厚い真昆布を丸々1枚、使うそうです。味付けした出汁がなくなるまで炊きつめた黒板昆布で鯖の棒寿司を巻くと、徐々に昆布のうまみが鯖に入っていって何とも言えない味になるそうです。
 最近では、長箱とよばれる寿司専用の木箱に入れて押したものを棒寿司といっているものもあるようですが、これは本来の意味からも棒寿司ではないそうです。