ゆば、湯葉、湯波、油皮、豆腐皮

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更新日:
 2025年7月20日



◎ゆば、湯葉、湯波、油皮、豆腐皮(2025年7月20日)
 湯葉は、大豆の加工食品の1つです。豆乳を加熱した時、ラムスデン現象(Ramsden phenomenon)によって液面に形成される膜を、竹串などを使って引き上げた物です。ラムスデン現象とは、牛乳を40℃以上に加熱すると牛乳中の水分が蒸発し、タンパク質や脂肪分が濃縮されて凝固し、表面に薄い膜ができる現象のことです。
 湯葉の発祥は中国で、温めた豆乳の表面にできた膜を僧侶が偶然発見し、精進料理の食材として利用したのが始まりとされているそうです。中国では2,000年くらい前から食べられていたようです。日本には禅宗の僧侶によって豆腐と一緒に伝えられ、精進料理の食材として使われたそうです。このため比叡山麗の京都や近江(現在の滋賀県)、大和(奈良県)などの寺社、門前町に広まっていったようです。
 その後、湯葉は精進料理、懐石料理として発展し、京都の食文化を支えるようになったそうです。江戸時代の1782年(天明2年)5月に出版された料理本である「豆腐百珍」には湯葉料理が5品紹介されており、江戸時代には精進料理だけでなく一般的な食材としても利用されるようになっていたようです。
 日本では、引き上げた湯葉を「生湯葉(または、引き上げ湯葉)」と呼び、料理の材料にするほか、刺身と同様にそのまま醤油などをつけて食べます。また、生湯葉を乾燥させた「干し湯葉」、半乾燥の状態のうちに巻いた「巻きゆば」、結び目を作った「結び湯葉」など、様々な種類の湯葉が市販されています。身延では湯葉を何枚も重ねて固めた「角ゆば」というものも作られているそうです。「巻きゆば」は吸い物の具にされることが多いようです。
 湯葉の名前の由来には2つの説があります。1つは、湯葉の色が人の肌のように見え、表面のシワが肌のシワに見えることから、老婆のシワに例えられて「姥(うば)」と呼んでいたものが「ゆば」に変化したという説です。もう1つは、豆乳の膜(上面)を汲み上げることから「上(うは)」と呼ばれていたものの、「うば」と呼ばれるようになり、最終的に「ゆば」になったという説だそうです。
 京都をはじめとする関西では「湯葉」と漢字表記されることが多いですが、栃木県の日光では「湯波」と表記されることが多いようです。表面が葉っぱのように薄く繊細であることから「湯葉」、表面が波打ったように見えることから「湯波」と、それぞれの漢字を当てたようです。京都でも1716年(享保元年)創業の湯波半老舗、1790年(寛政2年)創業の湯波吉など「湯波」と表記する店がありますので、その人の感覚で使用しているのではないでしょうか。日光ではブランド化し、用語を統一しているのかもしれません。
 京都の湯葉は、温めた豆乳にできた膜の端に棒や竹串を差し込んで、ペラっと1枚ですくい上げます。一方、日光では、膜の中央に細い金串を入れて二つ折りにするように引き上げるため二枚重ねになり、両面とも表になります。このため京都の湯葉は薄く、柔らかいのが特徴です。一方、日光の湯波は2倍の厚さになり、ボリューム感があり、間に豆乳が含まれています。

・刺身





・干し湯葉



・巻きゆば



・結び湯葉