| しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半 |
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◎しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半（2024年5月20日） 「今半」という店名のお店は東京都内に5社ありますが、いずれもルーツは1つだそうです。それぞれのお店からの情報をまとめると次のようになりそうです。多分、「今半」の創業者は2人いたのではないでしょうか。2人とも備前の国（岡山県）の出身で、1人は高岡伴太郎氏（高岡常太郎から改名）、1人は相澤半太郎氏だと思われます。 高岡伴太郎氏は岡山より状況し、畜産の仕事をし、1895年（明治28年）4月、63歳で本所吾妻橋（現在の東京都墨田区の本所）に牛鍋屋を開店したようです。当時、牛鍋は最先端の人気料理だったそうで、東京には500店以上の牛鍋屋が軒を連ねたそうです。高岡伴太郎氏は、この時代の流れに乗って牛鍋屋を開業したようです。 一方、相澤半太郎氏は1895年（明治28年）に18歳で東京に出てくると、割烹業で生計を立てていたようです。 そして牛鍋屋の二代目、高岡耕治氏が遠縁にあたる相澤半太郎氏と共同経営にて1912年（大正元年）6月、浅草雷門に「今半」を開店したそうです。牛鍋屋が好調で、お店の規模を大きくしたようです。そのためには資金も必要だったでしょうから、共同経営にしたのでしょう。したがって「今半」の創業者は2人だと考えられます。またこの時、当時、大衆料理になっていた「牛鍋」から、高級料理の「すき焼き」の店に方向を変えたようです。 今半本店のWeb siteに相澤半太郎氏の墓石の写真があり、当人が「明治28年に東京に来たこと」、その後、成功し「大正7年6月11日に自ら墓石を建てた」ことが書かれていますので、相澤半太郎氏が1895年（明治28年）に東京に出てきたことは間違いないと思います。もしかしたら、岡山で板前の修業をしていて、高岡伴太郎氏が牛鍋屋を開店しようと考えた時、遠縁に板前がいると聞いて、相澤半太郎氏を東京に呼び寄せたのかもしれません。 店名の「半」は、高岡伴太郎氏と相澤半太郎氏の2人とも名前に「半」がついていますので、ここから取ったものと思います。二代目、高岡耕治氏が創業者であるものの、高岡伴太郎氏の牛鍋屋を引き継いでいる、ということかもしれません。「今」についてははっきりしていないようですが、当時最先端の食であった牛鍋を提供していたことから、現代風という意味の「今様」という言葉から取ったとする説、当時、政府公認の食肉処理場が今里町（現在の港区白金）にあったことから、安心安全な今里の肉を使っているということをアピールするために「今」としたなどの説があるようです。 「今半」は繁盛したようです。1921年（大正10年）に暖簾分けで「今半別館」が独立しました。その後、1923年（大正12年）の関東大震災で建物が倒壊すると、昭和に入って再建したそうです。しかも、当時の建築技術の粋を集めて造られた豪華な建物は、後に「今半御殿」と呼ばれるようになったそうです。その建物は竜宮城を模し、玄関には桃山様式の唐破風がのり、全体としては歌舞伎座に似ていたそうです。また、大きな風呂があり、ライオンの口から出るお湯が自慢だったそうです。客はひと風呂浴びてから黄金の鍋ですき焼きを提供されたそうです。 そして1928年（昭和3年）3月に「今半 国際通り本店」を開店しました。すると2年後の1931年（昭和6年）4月に高岡耕治氏が「合資会社イマハン」を設立、暖簾分けの形で「今半」から分離、「今半 国際通り本店」を「浅草今半」として独立しました。 その「浅草今半」から暖簾分けの形で1983年（昭和58年）に高岡稔氏が作ったお店が「しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半」です。途中で「しゃぶしゃぶ亭」にしたのか、当初から「しゃぶしゃぶ専門店」を目指したのか、情報がなく不明ですが、現在、「代々木 今半」では、「しゃぶしゃぶ専門店」と謳っています。もしかしたら高岡稔氏が「浅草今半」で働く中で、より高級な、より美味しい「しゃぶしゃぶ」を思いつき、そのしゃぶしゃぶで勝負しようと考えて独立したのかもしれません。 その「しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半」は、「牛タンのしゃぶしゃぶ」を発明したお店だそうです。食べ方も、「しゃぶしゃぶ」なのに「しゃぶしゃぶ」してはいけないそうです。肉を筒状に丸めて静かに鍋へ入れるように勧めており、こうすることで内側はレア、外側に軽く火が入った状態で肉の旨味が鍋に逃げ出さず、最高に美味しい「しゃぶしゃぶ」を食べることができるのだそうです。 全ての食材、食べ方にこだわり、最高に美味しいしゃぶしゃぶを食べることができるのが「しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半」だそうです。ちなみに完全予約制だそうです。まだ機会がありませんが、いつか行ってみたいですね。  ・しゃぶしゃぶ亭 代々木 今半 住所：東京都渋谷区代々木1-45-4 代々木山陽ビル B1F TEL：03-3370-8565 営業時間：17:30〜21:30 定休日：12月31日、1月1〜3日 駐車場：無 アクセス：JR、代々木駅から徒歩約6分 カード：不可 席数：32席 オープン日：1983年（昭和58年） |