山賊焼き、山賊焼

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更新日:
 2024年10月13日



◎山賊焼き(2024年10月13日)
 「山賊焼き」は、長野県の塩尻市、松本市を中心に食べられている揚げ物です。鶏もも肉を、すり下ろしたニンニクやタマネギを効かせた醤油タレに漬け込み、片栗粉をまぶして油で揚げた料理です。鶏もも肉だけでなく、胸肉など他の部位が使われる場合もあります。「山賊焼き」と呼ばれていますが、実際には焼いた料理ではなく、揚げた料理です。このため「山賊揚げ」と呼ばれることもあるようです。
 「山賊焼き」は塩尻市の居酒屋「山賊」が発祥だそうです。居酒屋「山賊」の前身である「松本食堂」の店主、髙見安治郎夫妻が第二次世界大戦前後の時期に考案した料理だそうです。醤油、酒、みりんにすり下ろしたニンニク、タマネギなどを混ぜたタレに骨付きのもも肉を漬け、片栗粉を衣にして揚げます。持って食べられるように、足の骨を残した骨付き肉を使うそうです。
 当時は揚げ油が高価だったため、なるべく油を使わずに済むよう、もも肉をできるだけ平らにして大きなフライパンで揚げたそうです。焼き物に似た作り方で、客が覚えやすいように「山賊焼き」と名付けたそうです。髙見安治郎氏が山賊みたいな見た目だったということも理由だそうです。
 1つ食べただけで満腹感が味わえることからヒット商品となり、店名も商品にちなんで「山賊」に変更したそうです。また、髙見安治郎は料理教室を開いて作り方を教えたことから塩尻市、松本市で飲食店のメニューとして広まったそうです。
 ご当地グルメとしてのPR活動が本格化したのは2000年代だそうです。2004年に松本市内の飲食店で構成する松本食堂事業協同組合の青年部が観光客向けの郷土料理づくりを協議し、山賊焼きに白羽の矢を立てました。松本食堂事業協同組合青年部は2009年から、山賊焼を出す店にのぼり旗を提供、観光客への知名度アップを図りました。さらに2012年10月30日には「松本山賊焼応援団」が結成されました。さらのい、持ち帰り時に匂いが抑えられるようショウガを入れた山賊焼きを考案、松本山賊焼独自の基準を設けました。
 松本市に名物を取られると焦った塩尻市では、2008年に塩尻市が旗振り役となって塩尻産の商品の魅力を引き上げる「ブランド推進室」を設置し、その商品の1つに山賊焼きを加えました。さらに2010年に市役所が音頭をとって「材料は骨付き鶏肉」、「ニンニクを効かせた醤油だれに漬け込む」、「片栗粉をまぶして揚げる」という3つのこだわりを制定し、認知度を高める動きをしたそうです。そして2012年には「しおじり山賊焼の会」が発足し、山賊焼きのPRをしています。
 また2010年には塩尻市、松本市の飲食店関係者が松本大学も交えて「山賊焼を考える会」を結成しました。両市の飲食店で山賊焼きを箱詰めにしたクリスマスボックスやコンビニ向け弁当の商品開発を進めました。さらに「さんぞくやき」の語呂合わせで3月8日を塩尻市の、3月9日を松本市の「山賊焼の日」として連日イベントを開催するようにしました。