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更新日:
2025年7月27日
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◎和風ハンバーグ(2025年7月27日)
みんな大好き「ハンバーグ」ですが、ハンバーグ自体の作り方だけでなく、ソースやトッピングなど様々なアレンジがあり、とても一言では言い表せないくらい進化した食べ物です。とは言え、洋食屋さんやファミリーレストランで提供される「洋食」のハンバーグはデミグラスソースがかかっているパターンが多いです。これに対し、「和食」の「和風ハンバーグ」は、大根おろしが乗っていて醤油やみりんなどがベースの和風ソースがかかっていることが多いと思います。
この「和風ハンバーグ」という新しい分野を作ったのは、ファミリーレストランのデニーズだそうです。デニーズは1973年にアメリカのレストラン大手のデニーズ社と技術援助契約を結び、デニーズジャパンを設立し、翌1974年4月、横浜市のイトーヨーカドー上大岡店の1
階に初の日本店舗となる1号店をオープンしました。(1984年に商標権を買い取り、契約は解消しています。)
このデニーズ1号店のコンセプトは「アメリカのデニーズの再現」ということでした。このためメニューや制服、厨房設備、オペレーションの全てがアメリカのデニーズと同じスタイルを踏襲しました。メニューに「ハンバーグ」の表記はなく、アメリカの食文化である「ハンバーガー」、または「ステーキ」を販売していたそうです。
和風ハンバーグがデニーズに登場したのは開店から3年後の1977年だそうです。アメリカ方式を日本で展開しながら、日本人に合わせた料理をアレンジしていったタイミングかもしれません。ただし、アメリカの許可が必要であったことから、アメリカ人がイメージする「和風」の意味合いが強かったため、醤油ベースにゴマ油や醤(ジャン)を効かせた少しスパイシーなソースをかけたハンバーグとして販売されたそうです。また、当時のメニューは日本語の下に英語が書かれているのですが、「和風ハンバーグ」の下には「Hamburg Steak Oriental」と書かれていました。アメリカ本社では「和風」は「Japanese」ではなく、「Oriental(東洋)」というイメージだったのでしょう。
このデニーズが「和風ハンバーグ」という新しいハンバーグ料理を提供したことにより、様々なアレンジが始まったのかもしれません。その後、家庭の食卓でも、御飯によく合う「和風ハンバーグ」が食べられるようになっていったようです。この家庭で食べる「和風ハンバーグ」には「おろしポン酢」をイメージする人が多いかも知れません。これはポン酢のメーカーであるミツカンが、看板商品の「味ぽん」を鍋以外の用途にも使える年間商品にすべく、1983年頃から普及活動をしたのがきっかけだそうです。ミツカンは「おろし焼肉」を始め、1989年にはポン酢を使った「おろしハンバーグ」を提案し、これが健康志向の人々に受け、「さっぱりヘルシーな料理」として受け入れられ、広まっていったようです。
1994年にはキッコーマンが「ステーキしょうゆ」という商品シリーズとして「あらびきおろし」の発売を開始しました。これは醤油をベースにたっぷりのおろし野菜が入った調味料です。この商品の登場によって、家庭でも簡単にハンバーグを和風にすることがえきるようになり、和風ハンバーグがより身近な存在になっていきました。


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