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更新日:
2008年6月28日
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◎蕎麦(1996年5月2日)
タデ科の植物で、中国雲南省周辺から、朝鮮半島を経由して日本に伝わったと推定されている。縄文時代の遺跡からソバの種子や花粉が出土しています。
そばは、中央アジアが原産といわれ、シベリア、中国東北部、朝鮮の高地などで古くから栽培され、寒冷な山地や荒れ地にできるものほど、味がよいといわれてます。
日本へは8世紀ごろ朝鮮から伝えられ、主に山間地方で作られるようになりました。最初は果皮を除いたものを米や麦に混ぜてそば飯(料理の「そばめし」とは別です)としたり、そばだんご、そばがきとして食用にしてきました。現在のような麺状のそばになったのは、小麦をつなぎとして使うことを知った、江戸時代になってからのことです。
世界的に見ても、ソバを麺状にして食べるのは日本独自の文化のようです。この切り蕎麦は、単身生活者が多かった江戸の町で、簡単に食べられるスナックとして広まったといわれています。
ソバの主成分は澱粉で、他に蛋白質、ビタミンB1、B2、ニコチン酸などを含んでいます。ソバに含まれる蛋白質は良質で、他の穀物のタンパク質に欠けているトリプトファン、スレオニン、リジンなどの必須アミノ酸を多く含んでいるそうです。これらの栄養素の他に、ソバにはルチンが多く含まれています。
ルチンは、かつてはビタミンPと呼ばれていましたが、後にビタミンPを構成するクエルセチンやヘスペリジンなど、いくつかの物質が発見され、ルチンが単体でビタミンPと呼ばれることはなくなりました。日本ビタミン学会では、ビタミンPをビタミン様物質として規定しています。つまり、ビタミンPはビタミンではありません。
ルチンは、毛細血管の働きを安定、強化させると言われています。弾力性が無くなり、破れやすくなった血管を、新しい弾力性のある血管に取り替える働きがあり、血液をスムーズに流す作用もありそうです。このため高血圧、動脈硬化、脳出血などの予防効果があると言われています。
一般にそば粉100gにはルチンが15mg程度含まれているとされていますが、そば粉の種類によって含有量が異なります。また、最も多く含まれているのは甘皮(種皮)部分のため、三番粉(表層粉)には多く含まれますが、中心部が主体の一番粉(内層粉)はルチンの含有量が少なくなります。
以前は、そばを茹でている間に、ルチンが茹で湯の中に溶け出てしまうため、そば湯を飲んだほうが良いと言われていましたが、実際には数%程度しか流出しないということが分かっているそうです。
世界各地で栽培されているソバには、普通ソバ(F. esculentum)とダッタンソバ(F. tataricum)の2種類があります。それらは植物学的にはタデ科(Polygonaceae)のソバ属(Fagopyrum)に分類されており、その他にもソバ属には野生種を含めて十数種の存在が確認されています。
中国、朝鮮半島などでは麺にして食べられていますが、ロシアなど「かゆ」で食べる地域も多いです。インド、ネパールなどでは、粉をパンのようにして焼いて食べています。


◎ネパールにおけるソバ料理 (1996年5月2日)
ヒマラヤのふもと、ネパール王国山岳地帯にもソバの料理があります。ネパールでは、ソバはタライと呼ばれる熱帯の低地でも作られています。一方、ネパールの山岳地帯では、ネパール国民の一般的な主食であるコメの栽培が困難であるため、コメの代わりにトウモロコシ、シコクビエ、ジャガイモ、ソバなどが広くつくられています。
日本では、ソバの花は白が一般的ですが、ヒマラヤ周辺や中国などではピンク色の花もみることができます。
ネパールでのソバの一般的な食べ方は、ディロ(Dhiro)とロティ(Roti)です。ディロとは日本でいうところの「そばがき」です。ソバ粉をお湯で練って、辛い唐がらしで味付けしたタレ、もしくはカレー味の野菜の煮付けとともに食べるものです。ロティはソバ粉のパンケーキです。
その他には、ソバ粉を水で練って薄くのばして焼いたチャパティ(Chapathi)や、ロティを油で揚げたプリなどがあります。また、ソバ粉を山羊の血で練って、腸詰めにしたギャンテェなどもあります。そして、ソバ粉を使ってとろみをだしたクー(Ku)と呼ばれるシチューも食べられています。
またソバの種実だけでなく、葉も野菜としてたべることがあります。ソバの葉を乾燥させて粉にして、ドップラ(Doppra)と呼ばれるスープにして食べるところもあります。
◎「蕎麦」の表記(2019年12月10日)
「蕎麦」については、公正競争規約があります。「公正競争規約」とは、景品表示法の規定に基づいて、業界が自主的に定めている景品と表示についてのルールです。景品表示法は2014年(平成26年)に2回にわたり改正が行われるなど、強化されてきています。
公正競争規約は消費者庁及び公正取引委員会の認定を受けており、コンプライアンスの重要かつ有効な手段です。公正競争規約に参加し、これを遵守している限り景品表示法に違反することはありません。
「一般社団法人全国公正取引協議会連合会」が、様々な業界団体との連絡及び調整等の事業を行っています。この連合会は、公正競争規約を運用している全国に所在する76の公正取引協議会の連合体で、公正競争規約の普及・啓発などの事業を行っています。
2019年5月末現在、表示に関する公正競争規約には64の項目があります。「蕎麦」については、この内、「生めん類」に関する規約(1976年10月20日認定、2011年2月10日改正施行)、「生めん類の表示に関する公正競争規約」の第2条3で「この規約で「そば」とは、そば粉30%以上、小麦粉(灰分が 0.8%以下のものに限る。)70%以下の割合で混合したものを主たる原料とし、これに水を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。」と定義されています。
乾麺について乾めんメーカーの業界団体である全国乾麺協同組合連合会が2003年9月1日から施行した自主基準(最終改正:2015年8月26日)、「全国乾麺協同組合連合会表示等のガイドライン」で「干しそば」にあっては、そば粉の含有量(茶そばにそば粉が配合されているものは除く)が30%以上と定義されています。その計算方法は、「そば粉の配合割合(%)は、そば粉÷(小麦粉+そば粉+食塩水以外のその他原材料(デンプン、グルテン等))で算出する」とも定義されています。
また、即席めんについては「即席めんの表示に関する公正競争規約及び施行規則(2000年3月29日認定、2018年2月19日改正施行)」の第3条(1)で「そば」と表記する場合は「そば粉が30%以上」と定義されています。(ただし、焼きそば、沖縄そばや、これに類似する名称を使用する場合は除外)
すなわち一般的に「そば」という商品名で販売されているものは、そば粉が30%以上、入っていると考えて良いようです。
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