フリカデレ、フリカデッレ

  メニュー

TOPページ 

観光地 

地域情報 

日本のホテル 

日本のニュース 

日本について 

美味しいもの 

海外事情 

海外のホテル 

食品の話 

雑学 

用語辞典 

リンク 


更新日:
 2025年7月27日



◎フリカデレ、フリカデッレ(Frikadelle)(2025年7月26日)
 「フリカデレ(Frikadelle)」とは、牛挽肉、卵、パン屑、玉ねぎ、塩、胡椒、ナツメグ(香辛料、ハーブ)を玉子型あるいは小判型に成形し、フライパンで焼いた料理です。ドイツ版一口ハンバーグ、あるいはミートボールという感じの料理です。私は、この「フリカデレ」がハンバーグの元の料理だと思っています。
 「Frikadelle」という名称はドイツ語ですが、この料理はドイツだけでなく、北欧、ポーランドなどでも似たような料理があるそうです。北欧地域ではメインディッシュとしてもサイドディッシュとしても食べられる様々な種類のフリカデッレがあるそうです。スウェーデンでは「フリカデッレ」という言葉は、フライパンで焼くのではなく、茹でるミートボールを指すそうです。
 「フリカデレ(Frikadelle)」の語源や、いつ、どのようにして生まれたのか、ということは分かっていないようです。ドイツ語語源辞典によると、名刺「Frikadelle(フリカデッレ)、複数形:Frikadellen(フリカデルレン)」は17世紀末のドイツ語に見られるそうです。したがって17世紀には一般的になっていたと考えられます。語源は不明ですが、ラテン語で「焼く」とか「揚げる」という意味の動詞、「frīgere(フリゲレ)」に関係しているのではないかと考えられているそうです。
 ドイツでは、この料理の名前は沢山あり、少なくとも16の地域で様々な呼び方がされているそうです。ドイツ北部の港町であるハンブルク(Hamburg)では「フリカデレ」と呼ばれていたようです。
 私の勝手な考えですが、「フリカデレ」はフランス料理とされる「タルタルステーキ」が元になっているのではないかと思います。「タルタルステーキ(tartar steak、Steak tartare)」は、粗挽きの生肉をオリーブオイル、食塩、コショウで味付けし、タマネギ、ニンニク、ピクルス、ケッパーなどの薬味と卵黄を混ぜて食べる料理です。熱をかけて加工することなく、生肉のまま全体が均一になるように混ぜて食べる料理で、一般的には牛肉や馬肉が使われます。この「タルタルステーキ」がフランスからドイツに入り、各地に広まるうちに「生」ではなく、「焼いて」食べるようになり、それぞれの地域で様々な名前で呼ばれるようになったのではないでしょうか。
 ドイツ北部の港町、ハンブルク(Hamburg)では港で働く労働者が多くいたと考えられます。しかしながら、そのような港湾で働く労働者階級の人々は、安くて硬い肉しか食べることができなかったのではないかと思います。その肉をタルタルステーキのようにすることは、柔らかく、食べやすくする方法として受け入れられたと思います。しかし、生で食べることができる新鮮な肉を手に入れることも難しいことから、生ではなく火を通して食べるようになったのではないでしょうか。
 すなわち「フリカデレ」のようなタルタルステーキを焼く料理はドイツ各地で生まれたものの、ハンブルクで発展した「フリカデレ」が最も有名になったのではないでしょうか。ハンブルクからさらに北の北欧地域に広まり、それぞれの地域で発展、変化したため、北欧やポーランドにも「フリカデレ」という料理名が広がり、さらに元々の「タルタルステーキを焼いた料理」から、さらに変化しているのではないでしょうか。
 現在でもドイツでは「フリカデレ」は食べられており、パンに挟んで食べたり、マッシュポテトや野菜の付け合わせと一緒に食べたりされているそうです。パンに挟んだら、ハンバーガーの元の料理ということにもなってしまいます。